何故ウィリアムズのフロントサスはあんなにヘンなのか?

去年のFW25も今年のFW26も、Fサスのアッパーアームに下反角が付いている。去年はマクラーレンもそうだったが、今年はほぼ水平になった。ウィリアムズだけ、顕著にヘンである。
普通こういう設計はあまりしない。下反角を付けるとロールセンターが高くなり、横Gがかかると車体を持ち上げる力が働き、特に内側のタイヤにかかる荷重が抜けてコーナリング性能が落ちやすいからだ。(もちろん、程度の問題であるが)
それではなぜ、ウィリアムズはこういう設計にしているのか?

現代のF1では、空力性能が非常に重要である。車高が変化すると、ダウンフォースやドラッグが変化する。だから最近のF1では、出来るだけ車高が変化しないように気を遣って設計される。
その一方、タイや性能を活かすためには、サスペンションを有効に働かせ、タイヤを地面に接地させておく必要がある。しかし、そのためにバネを柔らかくすれば、車速によるダウンフォースの変化に伴い、車高が変化し、空力バランスが崩れてしまう。
(すいません、うんと端折って書いています)

オンボード映像を見ていると、ウィリアムズのFサスは、路面に追従して良く動いているにもかかわらず、車速による車高変化が少ないように思われる。

これは多分、通常のアンチロールバー(逆位相の動きを規制する)じゃなくて、同相の動きを規制するコンペンセイターをFサスに装備しているのだろう。そうするとサスは、左右逆位相の動きのみを許す「やじろべえ」みたいな動きになり、上下方向には動きにくくなる。ただそれだと、ロールに対抗するデバイスがなくなってしまうので、Fサスのアームに下反角を付け、ロールセンターを上げることで、柔らかいスプリングを付けてもロール剛性が確保できるようにしているのではないか。

・・・なんてことを(何の確証もなく)考えながら、F1のビデオを見ている。この辺のことを解説している(出来れば日本語の)サイトってないかなぁ。せめて、FW25/26のFサス周りを鮮明に写した写真、どこかにないですかねぇ。