スカイ・クロラ

新百合ヶ丘で定時まで仕事だったので、終わってからワーナーマイカルで「スカイ・クロラ」を観る。お客さんは20人弱か。
同じ列の二人連れがポップコーンを食べるかさかさいう音以外、ほとんど全く誰も何も音を出さない中での鑑賞。ため息一つつくのにも気を使う。緊張感があるのはいいけれど、息を抜く場面が全然ない。笑える場面皆無。犬はかわいいけど、その動きの一つ一つにも意味があるんじゃないかと考えるのに必死。予備知識なしの若いカップルとか、映画終わったあとの会話に困るんじゃないかと思った。
全体的な流れが説明不足に感じた。自分は原作の文庫版5冊を読んでいるけれど、そうでないお客さんにとっては不親切。ボーリングのボールの軌跡に散香のコントレールを重ねるとか、最後に赴任してきたパイロットがタバコ吸うときにマッチの軸を折るのをアップで見せるとか、そういうのを少し混ぜた方がわかりやすくなるんじゃないでしょうか?ティーチャーとの戦闘で落とされたのだって、プッシャー(プロペラが後ろにある)の散香はスナップロールでコントロールが効かなくなるのに対し、トラクタのティーチャー機(名前失念)はプロペラ後流が舵に当たるのである程度コントロールできる、というのが理由(のひとつ)なんだけど、ばっさり切っちゃってるのでわからないし。まあこのへんを描こうとするとティーチャーの描写をしなければならないし、「カンナミが墜とされた」ということが大事なのであって、どうして、というのはどうでもいいということなんでしょう。でもその割に、撃墜された機体が水中に没するシーンでカメラを水面に浮かべるとか、無駄なところは凝ってるんだよなあ。全体としては、最後の最後でなんとか綺麗にまとまったとは思うけど。
個人的には冒頭、散香がティーチャーに落とされてパイロットが脱出するシーンで、プロペラを(爆薬で)脱落させてから脱出するのを見ただけで嬉しくなった。小説読んでいるときは散香が二重反転ペラだという印象はなかったんだけどどうなんだろう?着陸時に機首を左に振っていたのはトルク反動を相殺するためじゃないんだ?あと、戻ってきてプロペラが止まるとき、散香はフルフェザーなのに染赤はそうじゃないんだな。